我々の住んでいる地球が他の太陽系惑星との大きな違いは、豊なる水と大気の存在でしょう。
 この中で我々人間の活動による、廃棄物による有害物質の増加、成分バランスの崩壊が大気汚染、水質汚濁としてわが身に降りかかって来ている現状を如何に理解し、有効な対策を立てるかに環境計測技術の発展が必須です。

大気の汚染

 我々は無意識の内に呼吸を行い大気から酸素を取り入れ、二酸化炭素を放出しています。
 ところで、我々が1日の間に吸い込んでいる空気の量はどの程度と思いますか? なんと約22立方メートルにもなります。
 従って、この空気の中に含まれる有害物質が、如何に微量であれ体に影響をもたらす可能性は否定できません。
 この有害物質はどのようにして発生したのでしょう。
産業の発達するまでは、自然現象としての火山活動によって発生した硫黄化合物のガスや微粉塵、燃料の燃焼によって生成するガス、排泄物の分解腐食による生成物等であったが、産業革命以降動力用燃料の大量使用に基づく煤煙煤塵の増加、金属精錬過程での廃棄物、化学品製造工程からの放出物など自然界には存在しない成分の増加が著しくなってきました。
 また、最近では自動車排ガスや光化学オキシダントのように大気中に放出された各主成分の再反応による複合汚染なども増加しています。